2ケタ目前!13日目となる新日本の契約更改交渉が27日、都内の新日本事
務所で行われ、後藤達俊が退団した。退団者はこれで9人となり、最終的に9
人が動いた第1次UWF旗揚げ時と並び、同じく13人が動いたジャパン・プ
ロレス旗揚げ時に次ぐ歴史的な大量離脱となった。バックドロップの達人、第
38代IWGPタッグ王者は「退団します」と、83年2月9日のデビュー以
来、23年間のプロレス人生を捧げた新日本に別れを告げた。「少しはアップ
してたけど、でも厳しい」と、厳冬ぶりを理由に挙げた後藤達。「嫁さんが怖
い。ヤキ入れられそう。ちょっと精神的には落ち込んでる」と力なく笑ったが、
そこは一家の主としての責任がある。

 

契約更改がここまでこじれるほど新日の体力は無いのかと、さすがに身売りを
しただけのことある。一方の全日は有望な外人レスラーを集めることは出来た
が、結局は金が全てを言う世界であり、全日での活躍が目に留まったレスラー
は条件の良い方に移籍していった。元WWEの選手が幅を利かすように、果た
して元新日と言う肩書きは我が国のプロレス界でどれだけ通用すると言うのだ
ろうか。メインを張るようなレスラーは残留が見込まれそうだが、中堅どころ
が一挙に抜けるとなると、前座とメインの間は外部レスラーでつなぐような形
になるかもしれない。今ではインディーの雄でしかない長州力リキプロを始
め、アパッチプロレスの面々でもリングに上げるとでも言うのか。

 

迷走を続けた新日が落ち着く先は、まだまだ見えそうに無い。そればかりか悪
い方向へひたすら進み行くようにしか見えないのだ。客に満足の行く試合を見
せられなくなった団体は、人気が低迷しても仕方あるまいが何よりこのような
契約更改の場がニュースとなるようでは、本当に終わりが近いのかもしれない。
大枚はたいて招聘したレスナーやバーナードを説得力を持って倒せる日本人レ
スラーが新日にいるのだろうか、目の前のことで言えばそれが憂慮すべき点で
はなかろうか。