中国有力紙、中国青年報の付属週刊紙「冰点周刊」が、先に掲載した中学校歴
史教科書に関する評論記事が原因で当局から批判され、25日までに停刊処分
を受けた。胡錦濤指導部によるメディア締め付け強化を示すと同時に、中国で
歴史認識問題の敏感さを浮き彫りにした。原因となった評論は、11日号の
「現代化と歴史教科書」と題した文章。中国では「反帝国主義の愛国運動」と
肯定的に評価される1900年の義和団事件が、実際は1カ月間に児童多数を
含む外国人231人を殺害した「反動的で反文明的な事件だった」と批判。中
学校の教科書には義和団の残虐行為の記述がほとんどないなど、事実と解釈に
間違いが多いと指摘した。

 

有力紙がこのような認識をしているのであれば、中国の国民は全てが反日思想
に染まっていることがない証明となるであろう。他国のことはとやかく言うが
自国のことはどんな些細なことであっても注文をつけられるのは許せないと言
う、正に中華思想に染まった中国政府は国内においても徹底的な言論統制を行
っている。中国共産党を支える歴史における独裁政権の「正統性」は、触れる
べからず聖域であり、それに触れてしまった「冰点周刊」は当然の如く停刊処
分が下ったわけである。とてもではないが、歴史認識の共有をしようと持ちか
けても撥ね付けられるのがオチだ。時間をかけようがかけまいが、中国共産党
言論統制をし続ける限り、我が国との真の意味での友好は成立しない。

 

さらには、グーグルが中国国内で始めた新しい検索サービスでは「台湾独立」
や「ダライ・ラマ」「天安門事件」「法輪功」などの言葉は検索しても結果が
示されないか、これに関する中国当局側のウェブサイトしか表示されない。こ
うした禁止用語は1000語近くになると言われ、進出したネット企業にも言
論統制に協力させる姿勢は気味悪さすら感じる。1億人を突破したとされる中
国のネット人口を取り込むためとは言え、本来見られるべきサイトが提供出来
ないのでは何のためのサービスなのだろうか。金のために倫理すら捨て去るよ
うでは、弁解せずに「金のため」と堂々と言って欲しいものだ。