社民党は2日午前、党本部で常任幹事会を開き、自衛隊を「違憲」とし「非武
装を目指す」と明記した綱領的文書「社会民主党宣言」の最終案を了承した。
11、12両日の党大会で採択する。最終案は、自衛隊について旧社会党時代
の1994年に村山富市首相が打ち出した「合憲・容認」路線を放棄し「現状、
明らかに違憲状態にある」と明記。自衛隊を国境警備、災害救助、国際協力な
どの任務別組織に改編することで「解消」し「非武装の日本を目指す」とした。
これに関連し、党幹部は常任幹事会後、記者団に「政策転換したと言われた9
4年当時は『憲法の枠内』という認識だったが、現状は枠内とは言えず、認識
が変わった」と説明した。

 

また最終案は日米安保条約に関して「最終的に平和友好条約へと転換させ、在
日米軍基地の整理・縮小・撤去を求める」ことも盛り込んだ。これが実現する
にはあとどれくらいの時間がかかるのか数字で出していただきたいものだ。絶
対に政権が取れないとは言わないが、現状を認識するのは社民党からにしては
どうだろうか。かつて旧社会党も総選挙の際には過半数をとろうとするつもり
はなく、自民党との馴れ合いの55年体制に甘んじてきたために、壊滅間近の
党勢になってしまったのではないか。この期に及んで出来もしないことを宣言
としてまとめるのは、無責任以外の何ものでもない。社民党の支持者達にどう
説明するつもりなのだろうといらぬ勘繰りもしたくなる。

 

自衛隊を任務別組織に改編することで、非武装を目指すらしいが、では国境警
備隊は非武装にまま突っ立っていれば良いとのことなのだろうか。民間の警備
会社以下の存在に国境警備が勤まるわけも無く、やすやすと侵入を許すことで
あろう。領空侵犯をした国籍不明機をどうやって追い払うのであろうか、まさ
か弾を積んでいないF−15で迎撃しろとでも言ってもらっては困るのである。
武装を論じるなら、他国の武装解除があってこそであるのに、我が国だけが
武装を貫いたところで、何になるのか。公党が夢想をされては困る、寝言は
寝て言って欲しい。それが有権者としての率直な意見だ。