ライブドア事件堀江貴文容疑者はテレビ番組に頻繁に出演し、刺激的な自説
を繰り返すことで世間の支持を集めてきた。「サンデープロジェクト」の進行
役の田原総一朗氏は3日までに産経新聞のインタビューに応じ、「(番組での
取り上げ方には)大いに反省はあるが、当時、堀江容疑者のやっていることが
犯罪だと見抜くのは難しかった」と語った。田原氏は「堀江容疑者が日本の古
い体質を変えようとしたこと自体は間違いではない」とした上で、「ぼく自身
堀江容疑者に大いに期待していただけに、残念」と話す。そして、「かつて
堀江容疑者を支持した人たちが道徳家みたいに彼を批判している。今は彼がど
こで間違えたのかを冷静に議論することが大事だ」と強調した。

 

マスコミの文字通り手のひらを返したかのような堀江バッシングに一番辟易し
ているのは、情報の受け手であろう。時代の寵児になるには、マスコミの力が
大いに必要であり、堀江氏はそれを利用しマスコミもまた話題作りのために氏
にテレビ出演を依頼してきたわけだ。言わば持ちつ持たれつの関係が作られて
いたのであって、いまさらマスコミが堀江氏を叩いたところでもう遅いのであ
る。田原氏がインタビューで語るように、支持した連中がいきなり叩く側にな
ったところで、誰の共感も得られないであろう。むしろ反感を買うのが関の山
である。ライブドアプロ野球の新規参入を擁護していた朝日新聞が、その良
い例ではないか。

 

犯罪だと見抜けなかったのであれば、まずマスコミがそれを素直に認めた上で
ライブドアの犯罪を追及していくのが筋だ。ライブドアの非を追求するには、
まず自らの非を認めねばみっともない限りではないか。結局、目先のことしか
考えていない点についてはマスコミも同類である。話題となれば、当たり前の
ように飛びつく条件反射のようなものかもしれない。そこに冷静な議論など存
在せず、単なるバッシングに終わるようなら、いつまでたってもマスコミとい
うものが「マスゴミ」と嘲笑されることだろう。