4日から8日まで北京で行われた日本と北朝鮮の並行協議で、北朝鮮がいわゆ
る「強制連行」と「従軍慰安婦」の被害者数をそれぞれ840万人、20万人
と挙げ、経済協力とは別に日本に補償を求めていたことが11日、明らかにな
った。日朝首脳が平成14年9月に署名した平壌宣言は、国交正常化にあたっ
て双方が財産権と請求権を放棄することを確認しており、北朝鮮は同宣言を無
視して日本側に揺さぶりをかけた格好だ。複数の交渉筋によると、日本の原口
幸市日朝国交正常化交渉政府代表が6日の国交正常化交渉で、北朝鮮が強く求
める日本の朝鮮半島統治時代の「過去の清算」について、経済協力方式による
一括解決を提案した。

 

これに対して、北朝鮮宋日昊日朝国交正常化交渉担当大使は「強制連行」で
840万人、「従軍慰安婦」で20万人がそれぞれ被害を受けており、経済協
力とは別途に補償すべきだとの考えを示した。白髪三千丈のようにとにかく、
スケールの大きな中国ならまだしも、北朝鮮までもまったく根拠の無い数字を
持ち出してくるとは、協議自体をぶち壊すための口実であるのは明らかだ。過
去の清算として経済協力方式を提案することは、個人的に国交正常化そのもの
に反対したいところであるので、あくまで拉致と安全保障に重点を置いた協議
を続けて欲しいものだ。

 

建前では同じ民族同士、同じ国になった方が良いと言いつつも、実態としては
北朝鮮との統一を最も危惧しているのは韓国である。経済レベルが天と地ほど
離れてしまった今日において、北朝鮮を引き取ることは漢江の奇跡とまで言わ
れた高度成長を経て、一人立ちした韓国経済を崩壊させることに他ならない。
金王朝の適度な維持が、朝鮮半島の危機を防ぐ手立てとは何とも皮肉な話では
あるが、少なくとも餓死者を出さない程度の援助は必要かもしれない。それが
本当に必要とされる人々に渡るのであれば、であるが・・・