麻生太郎外相は19日、NHKの報道番組で、中国、韓国との関係について
「ある程度覚悟し、いつも隣(国)が仲がいいということは、あまり期待しな
い方がいいのではないか」と述べ、根本的な関係改善は困難との認識を示した。
麻生氏は、中国が小泉純一郎首相の靖国神社参拝中止を求めていることについ
て、「靖国は単なる象徴に過ぎない。靖国(問題)がなくなったら、すべて日
中間の問題が解決するかと言われると、なかなかそうはいかない」と指摘。
「経済力が拮抗すれば二国間は安定しなくなる。靖国があるからではなく、日
中でいろいろ思惑が重なり合うことが話を難しくしている」と述べた。

 

麻生氏は外相になっても相変わらずの舌鋒で、文字通りの正論を吐き続けてい
る。この姿勢は軋轢も生むであろうが、現状の認識としては確かに日中韓3国
の関係が政治的には微妙な状態ではあるものの、逆に言えば常に良好な関係を
築いてきたわけではないと言うことだ。中国にせよ韓国にせよ、我が国と国交
を回復して半世紀も経っておらず、良好な関係が保たれていたとは言い難い。
特にいわゆる韓流ブームが日韓の距離を縮めたなどとしたり顔で言われたもの
だが、果たしてそうであったかと考えると疑問が残る。中年女性が大挙して韓
国に行くことが、日韓友好の形であると言うなら噴飯ものではないか。さらに
韓流スターに「独島は韓国のものだ」と言わせるあたりからしてキナ臭さが漂
ってくる。

 

それは中国とて同じで、常に我が国に対してあの手この手で揺さぶりをかけて
尖閣諸島の領有を宣言したり、東シナ海の資源を一方的に搾取したり、原潜を
領海侵犯させてみたりと、問題を持ち込んでくるのは中国ばかりではないか。
しかも実害があるだけに、靖国神社の参拝で中国人民の心が傷付くなどと生易
しいレベルの話ではなかろう。主張が一方通行で噛み合わない一党独裁国家の
相手を今後ともし続けなければならない我が国。親中派媚中派が跋扈する中
明確な意思を持って対話する政治家が望まれる。国益を蔑ろにする言葉だけの
友好はもううんざりなのだ。