中国の李肇星外相は7日、外交政策に関する記者会見を開き、日中関係につい
て「歴史上、中国国民は被害者である」と改めて戦争被害の事実を強調した上
で、「いま大切なことは、日本の個々の指導者が十分な誠意と勇気を持って自
分たちの誤った行動を改めることだ」と述べ、日中関係修復に向けて小泉首相
らの靖国神社参拝を中止するよう強く求めた。会見で李外相は「中日間の政治
が直面する困難な問題は、日本の個々の指導者が侵略戦争A級戦犯を参拝し
続けていることだ」と改めて指摘。「日本の指導者は中国国民や侵略戦争で被
害を受けた国の人々の感情を再び傷つけるべきではない」と強い口調で訴えた。
さらに李外相は、ドイツの戦後対応を引き合いに出して「ヒトラーやファシス
トを拝んだドイツ人はいない」などと語り、日本に反省を求めた。

 

またかと言った中国の靖国神社参拝の批判であるが、我が国には戦犯などいな
いと内閣も位置付けており、靖国神社の参拝も政教分離の原則に抵触しないと
判断している。これはあくまで国内の問題であって、中国が口を挟む余地など
どこにもあるまい。それを何度も何度も言うことで、一部のメディアがさも大
きな問題として取り上げてくれるのだから、これほど金のかからない謀略はな
いのではないか。国内的にも我が国に屈しない政府とのイメージを見せられる
であろうし、何より少しでも強硬姿勢に出るとこれまでの我が国の政府は折れ
てきたわけで、歴史認識と合わせて靖国神社の参拝とは中国にとって最強のカ
ードであった。

 

それに屈せず、曲がりなりにも参拝を続けてきた小泉首相の路線は中国にとっ
ては、許しがたいものであったのであろう。「小泉首相には期待しない」とま
で放言し、ポスト小泉に靖国神社の参拝を望まないとの呆れた態度をとってき
ている。別にいわゆるA級戦犯に対してのみ参拝しているわけでもなく、靖国
神社の果たす慰霊施設としての役割があってこその小泉首相の参拝が生きてく
るのである。この国のために戦い、そして倒れた全ての英霊達を慰霊するのを
一国の首相が行わずしてどうすると言うのか。ようやく出来たこの参拝の流れ
をポスト小泉が断ち切らないことを祈る。