東シナ海天然ガス田問題で中国側が共同開発を提案した「尖閣諸島周辺」海
域は、尖閣諸島より北側で、尖閣諸島と日本の領海は含まれていないことが1
0日、わかった。中国側のもう1か所の共同開発提案の対象である「日韓大陸
棚共同開発区域周辺」は、日中中間線付近のガス田「翌檜」に隣接しているこ
とも判明した。日本側は、この中国提案を拒否しているが、「中国側が、日本
が共同開発を求めている4ガス田の海域を含める方向に歩み寄れば、検討に値
する」として、中国側に譲歩を求める構えだ。日本政府関係者によると、中国
が今月6、7両日の第4回日中局長級協議で共同開発を提案した「尖閣諸島
辺」海域は、尖閣諸島とその周囲12カイリの領海のほぼ北側に隣接している。
日中中間線よりも日本側で、尖閣諸島と台湾の中間線にも近い。

 

領土問題の絡む話でもあるので、さすがに一歩も引けない交渉が続いているが
国連アジア極東経済委員会が60年代に資源があると発表してから一方的に尖
閣諸島の領有権を主張した中国のことである、すでに生産を開始した一部のガ
ス田で既成事実を作り、共同開発の負担を我が国に払わせようと言う魂胆でも
あるのだろう。飲めないような案を出し、我が国の提案は持ち帰って検討する
とし時間稼ぎを続けてきた。爆発的に増えるエネルギー事情が中国を駆り立て
るのであろうが、エネルギー価格の高騰が世界を襲えば中国とて大きな影響を
受けるのは間違いない。それを和らげるために、自主開発のエネルギー供給源
を手に入れるためにあらゆる手段を講じてくることだろう。

 

だが成長が永遠に続くことがない以上、いつかくるその日に中国政府がどのよ
うな手段をもって危機を乗り切るのかは、我が国とて他人事ではない。とどま
ることを知らない中国が、止まってしまった時の影響はもう極東アジアだけで
済む問題ではないのだ。歪んだ政策が生んだ多くの矛盾を解決出来ないまま、
果たして中国は何処へ行こうと言うのか。事あるごとに我が国を名指しで批判
する中国政府は、それが虚勢で終わらないことを祈るばかりである。