今日の社説は正に朝日節であった。「日中関係 これでは子供のけんかだ」と
題された社説では、一連の日中間の非難の応酬合戦を「なんと不毛な応酬だろ
うか。こんな子供のけんかのようなことが続くのでは、外交と呼ぶにはほど遠
い。両政府とも早く頭を冷やして、大人の対応を取り戻してもらいたい。」と
何様のつもりかは知らないが、まるで他人事のように書いている。何ら具体的
な方法を書かずに、頭を冷やして両国に考えろと突き放す書き方には本当に言
論機関の社説なのかと眼を疑った。今までのように我が国は中国に難癖をつけ
られたら膝を屈せよとでも言いたいのだろうか。

 

社説で触れている麻生外相の台湾を「国」と呼んだことについても、確かに当
時の世界情勢を考えても中華民国との断交は致し方の無かったことであろう。
日中共同声明で「中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承
認する。台湾が中華人民共和国の不可分の領土であるとする同国政府の立場を
理解し、尊重する。」との文が引用されているが、理解し尊重したまでであっ
て台湾は実質的には、中国の法の及ばぬ独立国家であろう。名実共に民主国家
としてアジアで誇るべき「国」ではないか。民主的に総統を選び、国の行く末
を真剣に考える国民がいる。中国に同じ真似が出来るのか、言論の自由さえ存
在しない一党独裁国家に台湾を渡すわけにはいかないのだ。

 

さらに中国海軍は国産空母の建造を計画しているとの報道が香港紙でされ、そ
の理由が「海岸線の長さなどを挙げ「海洋権益を守るため」として空母の必要
性を強調」していると言うではないか。海洋権益を守るために我が国が空母を
建造しても文句は無いのなら結構、だがそうはいかないだろう。軍国主義の復
活であると猛烈な批判をし、その間に着々と自国の空母艦隊を整備していくこ
とであろう。実際問題、我が国が空母を建造することなど有り得ないとしても
中国の空母保有によって脅威はさらに増す。動く空港である空母は、攻撃兵器
以外の何ものでもない。朝日はこれが脅威でないとでも書くのだろうか。