フジテレビジョン日枝久会長は15日、ライブドアと業務提携する方向で協
議しているとされるUSENに関連し、保有するライブドア株売却は、USE
Nなど情報技術(IT)企業が望ましいとの考えを明らかにした。日枝会長は
同日朝、記者団に対し、ライブドア株売却について「ファンドも含めいろいろ
なところから話はきている」とした上で「ライブドアのビジネスに近いところ
に協力するのが、ライブドアにとってベストと思う」と述べた。USENは同
日、「ライブドアとの提携の可能性も検討している」とのコメントを発表した。
売却先の決定時期について日枝会長は「こういうのは長くしない方がいいと思
う」と述べ、3月中の売却先決定に向けて交渉を急ぐ考えを示した。

 

計らずもライブドアと提携する羽目になったフジテレビにとって、ライブドア
グループの崩壊によってようやく縁が切れることになり、短いようで長い時間
であったことだろう。含み損を大量に抱えることは決算上得策ではなく、IT
関連の企業であるUSENに引き取ってもらえるなら、投資ファンドとは違い
道理のある取り引きであると示すことも出来る。もともとライブドア側のニッ
ポン放送株大量取得に端を発した「放送と通信」の融合にしても、USENは
無料インターネットテレビGyaO」で実現させつつある。まだまだ黒字と
はいかないようだが、集客力を上げていくことでビジネスとして成立する日も
近いのではないか。

 

再生を目指すライブドアの最大の魅力は、その知名度くらいのものであろう。
ダーティなイメージを引きずらないためにも、旧体制をばっさりと切り捨てて
本業としてのネット事業を再建し、ファイナンス部門は手放すことも決断しな
ければならないだろう。ただ、USENとの提携がまとまったわけではなく、
ライブドア・フジテレビ双方にとって良い結果となるには、まだもう少し時間
がかかりそうではあるが。