米大リーグの選手が本格的に参加して初めて開催された野球のワールド・ベース
ボール・クラシック(WBC)は21日、サンディエゴのペトコ・パークで決勝
を行い、王貞治監督が率いる日本は10−6でアテネ五輪優勝のキューバを破り、
初代世界一に輝いた。最優秀選手には決勝の先発を含め3勝無敗の松坂大輔投手
が選ばれた。参加16カ国・地域の頂点をかけた試合は、1回に今江敏晃内野手
の適時打などで4点を先取し日本ペースで進んだ。終盤1点差まで追い上げられ
たが、9回にイチロー外野手と代打福留孝介外野手の適時打などで4点を追加し、
五輪優勝3度でアマチュア最強のキューバを振り切った。

 

当初は我が国においてもWBC自体盛り上がりに欠けてどうなることかと思った
が、奇跡のベスト4進出を果たした後は2度破れている韓国に快勝し、ついに決
勝にまで勝ち進み、二度とない「初代」チャンピオンに輝く栄冠を手にしたのは
王ジャパンであった。野球発祥の地、米国にて我が国がドラマチックな勝ち方を
続け、当初のWBCの盛り上がりに欠ける雰囲気を一気に吹き飛ばしてくれたこ
とは本当に素晴らしいことだ。むろん、大リーグに配慮した投球制限(そもそも
開催時期が悪いのだが)や度重なる米国戦での誤審など改善すべき事柄も多く見
受けられたが、あくまでこれは第一回なのだと思えば当然ではないか。

 

真の意味での世界一を決める大会には確かにまだまだな部分があるとは言え、次
につながる大会となれば、無理やりにでも開催した意味が出てくるのではないか。
トリノ冬季五輪では苦杯をなめつづけた我が国に朗報をもたらしてくれた王ジャ
パンの選手達に感謝したい。