プロ野球パ・リーグが25日、開幕した。国別対抗戦ワールド・ベースボー
ル・クラシックで日本が世界一に輝いた好影響が期待される中、3球場で10
万6692人の観衆を集め、8万1768人だった昨年を2万人あまり上回り、
上々のスタートとなった。WBCで日本チームを優勝に導いた王貞治監督率い
ソフトバンクは、エースの斉藤和巳が8回を2失点と好投し、昨季日本一の
ロッテを7−2で破った。王監督は「(祝福の)メールも40件以上来ていた
が、まだ返事もしていない。(ホークス監督として)12年間で一番あわただ
しい開幕」と話した。

 

WBCで打線の主軸となったのは、パ・リーグの選手が多くそれらの選手がペ
ナントで普通に見られるわけだから、ファンにとっては有難いことだろう。過
密日程のために帰国後すぐに開幕となってしまった点は問題であるとしても、
野球の裾野を広げると言うWBCの役割を少しでも果たせたのなら、それはそ
れで結構ではないか。年間を通じて緊張感を維持し続けるのは本当に大変なこ
とであろうが、何よりも近鉄オリックスの合併に際して盛んに唱えられた球
界改革も忘れてはならない。上々のスタートをきったところで、同じ観衆が続
けて見に来るわけではないのだ。

 

その場しのぎを続ける限り抜本的な解決は難しいであろうし、今年はWBC初
年の年であると同時にドイツW杯が6月に控えて、その期間は話題はサッカー
一色になるであろう。WBCがサッカーのW杯のように根付くことになるかは
やはり米国の意向が大きく、3年後の開催が決定されたとは言えメジャーリー
ガーが参加し、我が国もセ・パとメジャーで構成された誰の目で見ても最強で
あると思わせるようなチームで参加して欲しいものだ。世界最強を決める大会
が嘘偽りの無いものとなることを祈る。