温室効果ガスの二酸化炭素削減のため、環境省が決定した「午後8時消灯」が
3日、東京・霞が関の同省本省で始まった。この日は午後7時50分に同省内
に「職員はパソコンの電源を切り、早期に退庁するようお願いします」と放送
が入り、午後8時、各部屋に残った職員が一斉に照明のスイッチを切った。運
用上は、やむを得ない残業がある職員は、照明をつけ、仕事を続けることがで
きる。しかし、この日は初日ということもあり、ごく一部の職員を除き、ほぼ
全員が退庁した。ある職員は「今日はみんな帰れと言われたので、帰ります」
と話した。同省によると、正規の勤務時間は午前8時半〜午後4時45分と午
前9時半〜午後5時45分の2パターンある。

 

CO2削減の努力のためとは言え、あまりに小さな小さな努力となりはしない
か。クールビズの成功に気を良くしたのか、ウォームビズの失敗には目を瞑り
今度は照明を落とすことまで実施することで、官僚が先陣を切ってCO2削減
の努力しているのは評価したいが、なにぶん仕事に支障が出るほどに実施をさ
れても結局困るのは国民ではないかと思ってしまう。これを行うことで明らか
にCO2削減が達成出来るのならともかく、照明を消す程度で果たして出てく
る数値などたかがしれているはずだ。努力することに意味があるとは言え、効
果があまり無い割には仕事に差し支えるのであれば、なおさらであろう。

 

環境省の職員にはCO2の削減目標達成のための手段を考えていただきたいも
のだが、仕事にならないと言うのであれば解除したって問題は無かろう。さす
がに午後8時で仕事が終わってしまうような省庁は無く、むしろこれから仕事
と言う勢いではなかろうか。試みは買うとしても、端から眺めれば無駄な努力
となりはしないかと勘繰りたくもなるのだ。あくまでCO2削減に向かうのは
良いとしても、その行き着いた先が息苦しいだけの社会でないことを祈る。