前原誠司代表の辞任に伴う民主党の新代表選びは4日、小沢一郎前副代表、菅
直人元代表がともに出馬の方針を固め、代表選の構図は「話し合い一本化」か
ら両氏の一騎打ちによる投票決着へと大きく変化した。「オープンな代表選出」
をうたい出馬を決断した菅氏だが、背景にはこのまま小沢氏で一本化すれば
「全党的支持」を求め強引な党運営を招きかねない、との党内の懸念があった。
「反小沢」勢力の受け皿として、一定票の確保が可能とも踏んだようだ。一方、
小沢氏も党内の支持の広がりを背景に、選挙戦を容認した。03年9月の「民
由合併」の立役者だった両氏が激突する7日の投票に向け、今後多数派工作が
激化することは必至だ。

 

話し合いによる一本化は談合との誹りを免れず、一騎打ちによる完全決着もも
ともと寄せ集め政党の民主党にとって良い結果に終わるとはいかないだろう。
反小沢勢力が公然と存在するのが浮き彫りになり、小沢代表が誕生となった後
にもその勢力がしこりとして残る。前回の代表選は前原氏に破れ、再度の出馬
となった菅氏にとっても、反小沢票をかき集めるだけでは小沢氏には勝てない
だろう。民主党がガタガタになった中で、本当の待望論が出るまで待ち続けた
小沢氏の必勝体制で代表選に臨み、おそらく菅氏を破ることになる。アレルギ
ーとまで称される反小沢を合言葉に党が2つに割れることは避けるべきであろ
うが、菅氏の出馬でそれはあえなく潰えた。

 

どちらに転んでも民主党の再生は厳しく、そもそも代表選後に民主党がまとま
らなければさらに国民の信頼を失いかねない。大型選挙がしばらくない中で、
民主党の存在感は薄れていき、存在感をアピールするには与党に対してネガテ
ィブキャンペーンを張るくらいしか動きもとれず、結局今までと変わらないイ
メージがつきまとうことだろう。メール問題が引き起こしたのは、民主党の決
定的な凋落であることに間違いは無さそうだ。