民主党代表選に出馬する小沢一郎前副代表と菅直人元代表は6日夕、都内のホ
テルで会談し、選挙後は挙党一致で臨むことを確認した。会談は、なお小沢氏
側に話し合い決着を図る狙いがあったとみられるが、菅氏が出馬の意思を変え
なかったことで、代表選は7日実施されることが確定した。新代表は同党所属
国会議員192人の投票により、同日午後に選出される。選挙戦は党内各グル
ープから支持を受ける小沢氏が優位に立ち、菅氏が追っているとの見方が強ま
っている。ただ、最終的にはどのグループにも属さない党内「無党派層」の動
向がカギになりそうだ。

 

小沢待望論に沿う形で小沢代表が選出されるのは濃厚と見て良さそうだが、そ
れにより反小沢の勢力を同時に抱えることになるのは民主党としても勢力が二
分されることとなり、挙党体制の実現には程遠い状態となる。ベテランだけで
なく若手からも末松義規氏も立つとの見方もあり、そうなれば党内無党派の票
が割れ、小沢氏の党内の支持層に比べて見劣りのする菅氏は不利となるだろう。
一本化に失敗した時点で、民主党は寄せ集め政党の脆弱性を晒すことになると
は見えていたとは言え、こうなると自民党にとっては脅威が大幅に減ることな
り小沢氏が代表となろうとも党内がまとまらない状態が続くことは、自民党
利するだけに終わるであろう。

 

いかに小沢氏が自民党の幹事長を務め、経験が豊富であろうとも数の力では大
幅に劣る以上は、民主党がどの程度自民党を苦しめるかは未知数であるとして
も、やはり与党の独走を許さないためにも、最大野党の民主党が存在感を発揮
するしかあるまい。完全決着の結果が民主党を二分することになろうとも、挙
党体制を築けるかが今後のカギとなる。小沢氏、菅氏の一騎打ちの結果が果た
して新しい民主党を築く礎となるかは注目したいところだ。