民主党小沢一郎代表は8日、菅直人元代表鳩山由紀夫幹事長と党本部で会
談、代表選を戦った菅氏を代表代行に起用し、鳩山氏を続投させる方針を伝え、
両氏はこれを受諾した。小沢氏は渡部恒三国対委員長松本剛明政調会長ら前
執行部メンバーを再任させることも決めた。党の2枚看板だった菅、鳩山両氏
を重要ポストで処遇した今回の人事には、挙党態勢と党内融和を打ち出す狙い
がある。小沢執行部は11日の両院議員総会での承認を経て正式に発足する。
小沢氏は3者会談の後、菅、鳩山両氏とともに記者会見し、「どんな執行部で
も挙党一致、党内融和を心がけてやることは間違いない」と強調した。

 

小沢代表の望む挙党体制が一応は打ち出せた形だが、執行部のまとまりを考え
ると挙党体制がいつまで続くのかは微妙なところであろう。反小沢氏の勢力が
「まず自分が変わらなければならない」とした小沢代表の言葉を額面通り受け
止めるのかはわからないところであり、党内の融和路線がどこまで続くのかは
始まってみないとわからない。代表代行に棚上げされた形の菅氏も民主党のこ
とを考えるのであれば、小沢代表を支えていかねばなるまいし、噂される都知
事選に出馬など言語道断ではないか。本当の挙党体制が築けるまでは、小沢氏
と言えども党内の調整に苦労することであろう。