民主党小沢一郎代表は9日、NHKなどのテレビ番組で、小泉純一郎首相の
靖国神社参拝を「小泉さんの(参拝)は駄目だ」と批判した上で、「戦争を主
導した大きな責任がある人たちは、靖国神社に本来祭られるべきではない」と
述べ、A級戦犯分祀を求める考えを表明した。さらに「たまたま神社の形を
取っているが、戦没者の慰霊のためのものだ。戦争で亡くなった人のみ霊を祭
る本来の姿に戻して、天皇も首相も堂々と行ける靖国神社にすればいい」と強
調した。

 

この小沢代表の発言にすぐさま呼応する形で中国国営新華社通信は「小泉純一
郎首相は靖国神社を5度にわたり参拝し、中国、韓国などアジア各国の怒りと
抗議を巻き起こした」と指摘した上で、小沢代表の発言を評価する姿勢を示し
ている。まったく中国らしい連携ぶりだが、その連携の材料を提供したのは小
沢代表である。神道において分祀が有り得ないことを重々承知の上で言ってい
るであろうから、中国にとって小沢代表は御眼鏡にかなった野党代表なのは間
違いない。前原前代表も靖国には参拝しないと明言していたものの、中国脅威
論をぶち上げた途端に中国から首脳との会談を拒否される始末であった。

 

小泉首相が堂々と参拝しているかは微妙なところであるとしても、5度も参拝
をし続けてきたことは評価すべきであろう。小沢代表が自ら言うように、あく
まで靖国神社とは慰霊のための施設に他ならない。慰霊のために行く自体に問
題が無いと言うのであれば、いわゆるA級戦犯が祀られていようとも、全ての
英霊達に慰霊の気持ちを捧げるのが当然ではないか。靖国に行かないことで、
中韓との関係が改善されるわけでもない。慰霊のために行くだけであるのに、
外国の言いなりになって行かないことが良いとはとても思えないのだ。