耐震強度偽装事件で警視庁と千葉、神奈川両県警の合同捜査本部は14日、建
築基準法や建築士法違反容疑などで、構造計算書を偽造した千葉県市川市の姉
歯秀次元1級建築士と建築確認申請や施工を担当した建設会社「木村建設」元
幹部らを、月内に逮捕する方針を固めた。合同捜査本部は立件対象を10人程
度に絞り込み、検察当局などとの最終調整を急いでいる。昨年12月の一斉捜
索以来、約4カ月。多くの被害住民を出した事件はヤマ場を迎える。マンショ
ン販売「ヒューザー」については、小嶋進社長に出頭要請し、来週にも任意で
事情聴取。強度不足を認識しながらマンションを販売したとする詐欺と宅地建
物取引業法違反容疑の立件に向け、ほかの幹部からも事情を聴き、早急に詰め
の捜査を進める。

 

この耐震偽装事件がいったいなんだったのかと思うほど、世間からは忘れ去ら
れようとしている。言わば不良品をつかまされた住民達にとっては、本当に歯
がゆい日々であろう。結局メディアが報道したのは小嶋社長が国会内で罵倒す
る姿や、証人喚問での一転した証言拒否を貫く呆れた姿勢ぐらいのものであろ
う。姉歯物件以外からも耐震強度の偽装が行われていたことが明るみになる中、
冷静な目で見ればそれも当然であろうと思うのが普通である。姉歯氏周辺だけ
で行われていたことであるなら、どれほど簡単な問題か。なんとも無責任な姿
をこの舞台に上がった経営者が見せ続けたことであろう。そして追求すべき根
の深い問題のはずが、いつの間にか立ち消えになったが如く報道が止んだのが
気になるところではある・・・