小泉純一郎首相が主催する恒例の「桜を見る会」が15日午前、東京都内の新
宿御苑で開かれ、政財界人やスポーツ選手、各国の駐日大使ら約1万1000
人の招待客が満開の八重桜などを楽しんだ。首相はあいさつで、細川ガラシャ
の辞世の歌として「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も
人なれ」を紹介。「わたしも引き際、散り際を大事にして任期までは首相の職
責から逃げることなく頑張りたい」と、9月の退陣まで政権運営に全力を挙げ
る決意をあらためて示した。首相は御苑内を約1時間歩き、「純ちゃん」「こ
っち向いて」などと盛んに声を掛けられ、もみくちゃになりながら握手や記念
撮影ににこやかに応じていた。

 

退陣への道筋をつけつつある小泉首相であるが、戦後3番目となる長期政権を
築き上げたことに、就任当初の威勢の良さから思えば驚くばかりである。驚異
的な支持率を背景に、自民党をぶっ壊す、聖域無き構造改革を連呼し、文字通
りの小泉ブームを生んだ手腕は、今までの自民党総裁には無かったものであろ
う。特に前任の森前首相がマスコミのキャンペーンの効果もあり、これまた驚
異的な低支持率であったことも影響したに違いないが、自民党のイメージを良
い意味でも悪い意味でもぶち壊し、人事面では派閥すら機能不全に陥るほどに
ダメージを与え続け、文字通り自民党をぶっ壊してくれたわけである。

 

ポスト小泉が話題になる中で、レームダック化を避けるためにも相も変わらず
話題を提供してくれることだろう。一定の道筋をつけた拉致問題にせよ、中国
とその尻馬に乗る韓国を巻き込んだ靖国神社参拝、歴史教科書、今まで歴代の
政権が放っておいただけでなく、事なかれ主義に捉われ阿ってきた多くのこと
にメスを入れ、国民の関心事としてきたは単純に評価してしかるべきではなか
ろうか。