昨年4月に中国各地で相次いだ反日行動の中で、日本人社会に最大の被害が出
た上海の大規模デモから16日で1年。当局による抑え込みでデモ再発の兆し
はないが、地元の若者らの間には今も反日感情がくすぶっている。投石などで
大きな被害を受けた上海の日本総領事館は、16日も警備態勢は普段と変わら
ず、周辺は静かだった。しかし、中国側が同意した補修の作業は進んでおらず、
割れた窓ガラスなど当時の傷跡が残ったままだ。暴徒化したデモ参加者に破壊
された日本料理店など40軒の多くは営業を再開しているが、中国側からの補
償金はわずかだったもよう。

 

世界に恥を晒し続けた反日デモであったが、ある日本料理店では修復に80万
元(約1200万円)かかったのに対して、中国側からは見舞金として500
0元が出ただけと言うあまりに適当な補償がされただけだったようだ。中国側
が同意したはずの総領事館の補修すら行われず、むしろ未だにそのままに残る
傷跡を強調するには役立つこと請け合いである、外務省は公式に中国が補修を
約束したことをアピールした上で、未だに補修されないことに対して要求を突
きつければよかろう。中国を刺激しないよう努めるあまり、中国を増長させて
しまっては仕方あるまい。

 

言うべきことは言う、そんな当たり前のことを避けてきたことで、中国は我が
国は押せば引くと思い、何とも恥知らずな要求ばかりを突きつけてくる始末で
はないか。公害を周辺各国にまで垂れ流し、効率を無視したエネルギーの大量
消費、歪な経済成長に伴う格差の急激な拡大、土地の強制収用に反対する暴動
と中国が抱える国内問題を挙げていけばキリがない。ガス抜きで反日デモをや
ったところで、自らの置かれた立場に変わりが無いことに気がつけば、そのエ
ネルギーの鉾先が中国政府に向かう、その時どうなるかが見ものである。