北朝鮮による拉致被害者を救おうという日韓共同の集会が22日、ホワイトハ
ウスに隣接する公園で開かれた。拉致被害者家族会の増元照明事務局長や韓国
家族会の代表ら数十人が参加。時折小雨の降る中、問題解決を訴えた。集会で
は拉致された肉親との再会を願う日韓の家族の手紙を紹介。横田めぐみさんの
夫とされる金英男さんの母チェ・ケウォルさんの「死ぬ前に一目でいいから息
子に会いたい」という手紙も朗読された。参加したバージニア州エドワード
・ケレハーさんは「友達の日本人が被害者の親族。米国で拉致問題はほとんど
知られていないので、少しでも関心を呼び起こせれば」と真剣な表情。増元事
務局長も「米国の存在は大きい。ワシントンでこういう集会を行うのは北朝鮮
への圧力になる」と強調した。

 

当事国ではなく第三国でのデモは超大国米国であろうとも、その効果は微々た
るものかもしれない。家族会は拉致問題が世間一般に認知される前からもその
ような地道な活動を続けてきたわけであって、決して今だからと言うわけでは
ない。日韓の拉致被害者家族会が協力し合い、拉致の解決を訴えていくことは
北朝鮮への宥和路線をとり続ける韓国にプレッシャーを与えることになるであ
ろうし、現実に被害者が存在することを韓国内に知らしめることにもなるはず
だ。むろんそのためにはもっと大きな声が必要となる、突如として奪われた自
分の息子や娘が未だに祖国の土を踏めずに、異国の空の下で暮らしているのだ
と国際社会に叫び続けるほかない。核と言った安全保障の面だけでなく、拉致
と言う犯罪に世界が目を向けた時、拉致問題は次の段階へと進むのではなかろ
うか。打てる手をどんどん打つ、それしかあるまい。