竹島周辺の日本の海洋調査をめぐる日韓の外務事務次官協議は22日夜、決裂
の可能性さえ指摘される中、土壇場で合意した。双方が国内に強硬論を抱えな
がらも外交的解決にこだわったのは、竹島問題が日韓の領土紛争として国際的
な注目を浴びるのは得策ではないとの判断が働いたとみられる。ただ、ぎくし
ゃくする日韓関係が領土問題で「不信」を顕在化させた形でもあり、今回の問
題のツケは小さくない。日韓合意は、韓国が6月の海底地形に関する国際会議
竹島周辺の海底地形に韓国名をつけることを提案しないのと同時に、日本が
海洋調査を中止する「痛み分け」の構図だ。

 

領土問題で関係がこじれるのは当たり前のことだ。それは国際的に見ても例外
はなく、竹島と言うちっぽけな島であってもそれは同じことなのである。今回
我が国は失うものは何も無いが、韓国にとっては海洋調査をした上で韓国名表
記を国際会議にて提案をしようとしていたことを事実上潰され、言わばお墨付
きをもらう機会を逸したわけだ。海洋調査を国際法に則り粛々と行おうとした
だけであり、それが国際的な注目を竹島と言う存在に集めることが出来れば、
大成功だったのではないか。特に韓国の竹島に対する過剰なまでの反応は、毎
度のことながら辟易してしまう。

 

確かに問題の全面的な解決には程遠いのも事実であるが、両国に横たわる厳然
たる問題があることは目を瞑っても一時的に見えないだけであって、無くなっ
たわけではないのだ。問題を放置しておいて、ただ盲目的に友好友好と叫ぶの
はあまりに無責任な話ではないか。解決のための努力もせずに、譲歩のみを重
ね続けた無策は多くの例が物語っている。これで終りではないことを両国が認
識した上で、次なるステップに進むことが重要だろう。