耐震データ偽造事件で、警視庁などの合同捜査本部は27日、「木村建設」元
社長の木村盛好容疑者ら4人を建設業法違反容疑で、元1級建築士姉歯秀次
容疑者ら2人を建築士法違反容疑で、指定確認検査機関「イーホームズ」社長
藤田東吾容疑者ら2人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で、それ
ぞれ送検した。また同日、木村建設経理担当役員と役員の2人を建設業法違
反容疑で書類送検した。2人は容疑を認めており、在宅での捜査になるという。
逮捕された8人のうち、木村容疑者と姉歯容疑者姉歯容疑者とともに建築士
法違反容疑で逮捕された建築設計業者の秋葉三喜雄容疑者の3人は容疑を認め
ている。

 

耐震偽装問題の核心に迫るための手始めと言ったところかもしれないが、あれ
ほど世間を騒がせたにも関わらず、違反の程度で言えばかなり軽いレベルでし
かないのが歯がゆいところだ。さらにはヒューザーの小嶋社長や黒幕として登
場した総合経営研究所所長の内河健氏のような「大物」の逮捕とは相成らない
のは、逮捕に至るまでの証拠が無いからであろうか。住宅と言う人間の暮らし
に欠かせないものの概念をぶち壊し、普通の人間であれば一生の買い物であろ
うものを台無しにしたのだ。問題が問題だけに徹底的な追及をした上で、二度
と同じことをさせない気構えが必要だ。

 

末端の姉歯氏ら3人が容疑を認めているのであるから、彼等が捜査にどの程度
協力出来るかが全容の解明の一歩となるだろう。支払い能力を失った施工主は
破産し、住民達への補償もままならない中で今後の対策も業界団体からの相当
な圧力が予想され、耐震偽装問題はまだまだ終息へとは向かわない。あまりに
根が深くて完全な除去は出来ないにせよ、その根が見えるくらいには掘り下げ
ていかねば誰も納得はしないのだ。