麻生太郎外相は28日午前の衆院外務委員会で、盧武鉉韓国大統領の竹島問題を
めぐる先の特別談話について「基本的には竹島の話は領有権の話で、歴史の話で
はない。領有権の主張を歴史問題と絡めて言うのは、誤り、妥当ではないと思っ
ている」と批判した。さらに麻生氏は、竹島周辺での日本の海洋調査中止などで
合意した日韓次官会談後に大統領が特別談話を発表したことに関し「外交通商省
青瓦台との意思がなかなかうまく疎通していないというように理解しないと仕
方がない」とも述べ、韓国政府の対応に不満を示した。

 

竹島が問題となるのは、あくまで日韓が領有権を争う場であってそこに歴史問題
が入る余地は無い。韓国側はそうでもしないと竹島を実効支配し続ける正当性を
失いかねず、我が国によって奪われた祖国の土地であると言い続けるしか選択肢
が無いのが現状ではないか。海洋調査とて国際法によって守られた当然の権利で
あったものを、我が国が矛を収める形で引いたに過ぎず、韓国側に配慮をしたと
言うわけでもなかろう。それを捉えて韓国内では「勝った勝った」の大騒ぎかも
しれないが、EEZの確定交渉のテーブルに韓国を引き摺りだしたことは、とり
も直さず竹島は領土問題であることを意味する。

 

確定させると言うことは、そこに何らかの問題があってこそなのだ。韓国と言う
国は不思議なもので、本来領土問題とは実効支配側が騒ぎ立てるものなどではな
く、わざわざ揉めているのだと宣伝してくれるのだから有難いものだ。我が国に
屈することは売国奴として断罪されるとは言え、過去に我が国に協力したからと
言って祖先の罪まで現在に問う法治国家としてあるまじき行為をしているのを、
目の当たりにしては意思の疎通云々ではなかなか片付かなさそうだ。麻生氏の批
判はもっともなことではなかろうか。