北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんの母親、早紀江さんと、めぐみさんの
弟、拓也さんは28日午前11時すぎからブッシュ米大統領ホワイトハウス
大統領執務室で面会した。大統領は「米国は人権を尊重し、自由社会を実現する
ことを強く保証する」と述べ、拉致問題解決への協力を約束した。被害者家族は
今回の大統領面会を事態打開への大きな一歩と位置づけており、米国の支援を受
けることで拉致問題解決に向け北朝鮮に対する国際圧力がいっそう高まるのは確
実とみられる。

 

米国を動かし、北朝鮮に対する国際的圧力を強めていくのは今家族会にとって出
来うる最上の策であろう。我が国の国民が北朝鮮と言う国家が主導した拉致によ
り未だに捕らわれていることを考えるだけで胸が詰まる。事実上、経済制裁が抜
けない伝家の宝刀となってしまっている以上、米国の行った金融制裁のように不
法な金の出所を断ち切っていくことで、じりじりと北朝鮮の経済を締め付けてい
くことが現実的かもしれない。家族会がブッシュ大統領と直接対話し、多くの発
言を引き出したことで、流れが変わってきて欲しいものだ。

 

拉致は犯罪行為であり、しかも長きに渡ってその存在すら認められていなかった。
ある日突然、家族が蒸発し政府や警察も動いてくれないのであれば、自ら動くし
かないと決意した拉致被害者家族の苦労がしのばれる。小泉首相の電撃的な訪朝
から分厚いベールが剥がされてはきたが、まだまだ北朝鮮とは対峙していかなけ
ればならないだろう。未解決の拉致問題しかり、安全保障の問題しかりと我が国
北朝鮮に間に横たわるのは難題ばかりだ。早急な解決を求めるのではなく、じ
っくりとした対応が求められている。