日朝両国政府による並行協議の北朝鮮代表を務める宋日昊大使が、拉致被害者
横田めぐみさんの母早紀江さんがブッシュ米大統領と面会したことについて、
拉致問題を国際化し、北朝鮮への攻撃材料にしている」と非難していたこと
が、6日明らかになった。平壌を訪問していた同志社大学浅野健一教授が宋
大使と4日に北朝鮮外務省内で面会した際、このような発言があった。早紀江
さんと米大統領の面会について北朝鮮当局者が公式に見解を示したのは初めて。

 

攻撃材料と言われれば攻撃材料であろう。他国から国民を拉致しておいて、帰
しもしないのであれば、それは批判されてしかるべきであろう。拉致問題は我
が国だけのとどまらず、他国にまで及ぶ立派な国際問題である。それは核問題
もそうであろうが、拉致と言う国家的犯罪行為の前に北朝鮮が非難をする資格
を持ち合わせていないはずだ。ただ、子を思う親の気持ちが米国まで足を運ば
ブッシュ大統領のとの面会を実現させ、拉致の存在を世界に伝えたのだ。未
だに解決をみない拉致問題に対して、あらゆる手段を考えるべきではないか。

 

北朝鮮がまるで被害者かのような姿勢をとり続けることは、決して良い方向に
は進まないであろうし、さらに言えばニセ遺骨を持ち出してきたりと時間稼ぎ
のためか、その場しのぎに徹することは解決をより遠くにするだけのことだ。
このような発言は北朝鮮のためにもならず、さらに我が国の国民の怒りを買う
ばかりであろう。本当に解決する意思があるなら、国交正常化交渉などの前に
さっさと拉致被害者を帰すべきだ。それ以外に北朝鮮と我が国の間に横たわる
問題は多いのを忘れてはならない。