強引な取り立てなど違法行為が3店舗・2部署で発覚し、金融庁から行政処分
を受けた消費者金融大手のアイフルは、8日から約1900ある全店舗で業務
を停止した。停止期間は違法行為のあった新居浜店、西日本管理センター3係
諫早店など5か所が20〜25日間、その他が3日間。ただ、この間も利用
者からの返済は受け付ける。金融庁は8日、京都市下京区アイフル本社や梅
田店など一部店舗に、立ち入り調査を実施した。業務停止命令が守られている
か、利用者への周知が適切に行われているかなどを調べる目的だ。立ち入り調
査は、違法行為のあった5か所を含め、全国の数十店で順次行う。

 

不況の中、我が世の春を謳歌していたはずの消費者金融業界も業界トップであ
った武富士が、盗聴と言う犯罪により凋落し、チワワを使ったCMで好感度も
上げていたアイフルが強引な取り立てによる処分を受けた。都市銀行と組んだ
り、経団連に加入したりと、いわゆる「サラ金」としてのイメージを払拭する
ために、あらゆるイメージ戦略に取り組んできた業界にとって、今回のアイフ
ルへの重い処分は、一気にその戦略を破綻させるに十分であったことであろう。
本来、サラ金が持たれていた高利で厳しい取り立てと言うイメージは、正に現
実のものであったと言うことだ。

 

特に不況下で広告の出稿が減ってきたところに、消費者金融業界は大量に投入
し、メディアはその恩恵を十分に受けてきた。よって、なかなか自ら業界への
批判がしにくい側面もあったのではないか。週刊朝日武富士との間でやりと
りされた不透明な「編集協力費」なる事実上の裏金が、それを端的に表してい
た。業務停止命令と言う重い処分の前に、業界の体質が変わっていくのであれ
ば、それが望ましいことだろう。だが高利とは言え、必要とする人間がいる限
消費者金融はその存在を認知され続けるに違いない。