民主党小沢一郎代表は14日、新潟市で講演したのを皮切りに、来夏の参院
選に向けて各選挙区を回り支援態勢の確立や候補者調整で陣頭指揮を執る「全
国行脚」をスタートした。15日には山形入りして、勝敗の鍵を握る改選1人
区を中心にした候補者発掘を本格化させる。「参院選は天下分け目の戦いにな
る。今月中に回れるだけ回り、6月はほとんど連日1人区を中心に地方へ行っ
て、候補者を擁立し、選挙態勢の基盤を確立しようと思っている」。小沢氏は
森ゆうこ参院議員の支援者会合での講演で、選挙準備を加速させる考えを強調
した。同時に「2年前(の参院選)と同じ結果が出れば民主党だけで自公の過
半数を阻止できる。政治の夜明けの扉をこじ開けたい」と与党を過半数割れ
追い込む決意を重ねて示した。

 

昨年の衆院選での大勝によって、参院で否決された法案も衆院で押し通すこと
が可能になった与党とは言え、憲政の常道でいけばごり押しによる政治などあ
って良いはずが無い。与党にとって参院がいつまでも過半数ギリギリでは足元
がおぼつかず、小沢代表の言うように与党野党にとっても天下分け目の決戦で
あることに間違いは無さそうだ。郵政民営化法案の際に実質的に解散の引き鉄
となった法案に反対した自民党参院議員の処遇も後を引くことになるであろ
うし、先日の補選を勝った小沢民主党にとっても来夏まで勢いが続くとは思え
ず、寄り合い所帯ならではのゴタゴタが出てくるのではないかとも予想される。
いずれにしても簡単にはこの1年は終わらず、小泉首相退陣後のポスト小泉が
誰になるかでも大きく流れは変わる。

 

それにも関わらず靖国神社の参拝や歴史認識を政治の世界に持ち出してくる人
間がいるのは、本当に困ったことではないか。参拝するしないで外国の顔色ば
かりを伺うようでは、どこの国の政治家なのだと言わざるを得ない。そのよう
な政治家がこれ以上出てこないことを祈るばかりだ。