在日本大韓民国民団中央本部の河丙オク団長が17日午前、東京都千代田区
在日本朝鮮人総連合会中央本部を訪問し、徐萬述議長と会談。両トップが「5
・17共同声明」に署名し和解、祖国解放を祝う「8・15記念祝祭」の共催
など6項目の合意事項を発表した。両団体初のトップ会談で、半世紀以上にわ
たり激しく対立してきた歴史に終止符を打つことになった。河団長や金広昇議
長ら民団の代表団7人は午前10時20分過ぎ、朝鮮総連中央本部に到着。玄
関で徐議長や許宗萬責任副議長など朝鮮総連幹部ら約50人の出迎えを受け、
河団長と徐議長は歴史的な握手を交わした。記念撮影した後、中央本部9階の
貴賓室に移動し、それぞれの幹部7人が会談。その後、両トップは中央本部2
階の講堂で、共同声明に署名した。

 

歴史的和解とされながらも、果たしてその中身はあったのだろうかと共同声明
の中身を読むと思わざるを得ない。やや長くはなるが、共同声明の骨子を転載。
一、両団体の和解と和合を成し遂げ、在日同胞社会の民族的団結のために互い
  に力をあわせて協力していく。
二、「6・15共同宣言」を実践するための民族的運動に積極的に合流し、
  「6・15民族統一大祝典」に日本地域委員会代表団のメンバーとして参
   加する。
三、「8・15記念祝祭」を共同で開催する。
四、新しい世代の教育と民族文化の振興などの事業に共に努力していく。
五、同胞社会の高齢化、少子化対策をはじめ諸般の福祉活動と権益の擁護、拡
  大のために互いに協調していく。
六、以上の合意事項を履行し、両団体の間で提起される問題を解決するために
  窓口を設置して随時協議していく。

 

非常に事務的な内容ばかりだが、提起される問題を解決するために窓口を設置
すると言うのであれば、まずは韓国人拉致問題の解決を協議していってはどう
なのか。歴史的な和解の裏では民団が運営してきた「脱北者支援センター」の
活動の一時棚上げがあり、北朝鮮から命からがら逃げ出し同胞を頼ってきた脱
北者達にとって、この和解は恐ろしい意味を持つのではないか。南北友好の裏
ではこのような問題が捨て置かれていることを我々は伝えていかねばならない
だろう。見せ掛けだけの南北友好なら、あまりに弊害が大きい。