耐震強度偽装事件で、警視庁などの合同捜査本部は17日午後、開発会社「ヒ
ューザー」の社長・小嶋進容疑者を、神奈川県藤沢市の分譲マンション「グラ
ンドステージ藤沢」を巡る詐欺容疑で逮捕するとともに、「木村建設」元社長
木村盛好容疑者ら2人を、「サンホテル奈良」の工事代金の一部をだまし取
った同容疑で再逮捕した。捜査本部は、代金が振り込まれる前に、3容疑者が
建物の強度不足を認識していた点を重視。重要情報を顧客に伏せたまま代金を
受け取った行為は「不作為の詐欺」にあたるとして、詐欺罪を適用できると判
断した。

 

ついに逮捕と相成った小嶋社長であるが、多くの人間を巻き込んだ諜報人であ
るのに、逮捕直前のインタビューでは「最大の悪人は国交省である」と放言し
ており、その口から反省の弁は出なかった。あまりに他人事のような態度には
住居と言う普通の生活をしていれば、最も高い買い物となるはずのものを欠陥
があるままに売りつけて、欠陥があることを公表されそうになると政治家の力
を借りて揉み消しに走ろうとする、国会の場では自分に不利な証言をしたイー
ホームズの藤田社長に罵声を浴びせ、証人喚問では一転して証言拒否を連発し
ひたすら逃げ続けてきた。

 

末端の姉歯容疑者はおそらく恐れることなく、次々と自白をすることであろう
が、本当に洗いざらい話して欲しいのは小嶋社長なのだ。さらに黒幕とされた
総合経営研究所内河健氏もそうであろう。我が国に激震となって襲ったこの
耐震偽装事件は闇の部分が大きく、さらに逮捕するにしても罪自体は非常に軽
いと言う欠陥住宅やホテルを攫まされた元住民・経営者にとっては、溜飲を下
げることの出来ない日々が続くことではないか。