在日本大韓民国民団と在日本朝鮮人総連合会の和解に対し、民団新潟県地方本
部は「北朝鮮による拉致問題が解決しない限り、和解は受け入れられない」な
どとして、中央本部の決定に従わない方針を決め、20日に県内の各支部に伝
えた。同本部は平成16年から朝鮮総連との交流を中止していたが、今後も交
流しない方針という。県本部関係者によると、19日に県本部幹部らが会談し、
「中央で和解を進めることには反対しない」ことを確認。ただ、横田めぐみ
んらの拉致事件が発生した県内では、北朝鮮に対する反発が強く、県レベルで
の和解は難しいと判断した。20日に県内各支部に方針を伝え、今後、支部
通じて各団員に伝えるという。

 

新潟と言う特殊事情を抱える場所だけに、大手を振って和解を演出することは
ただでさえ悪化している在日に対するイメージが、総聯だけでなく民団までに
及びかねない。この決定はしごく当然のことであり、総連が拉致と言う犯罪に
関わってきたのは明白となっている以上、それに組することで拉致問題に民団
までが関わっていかねばならないのは得策ではない。むろん中央で和解が進む
前からも、イデオロギーの洗礼を受けていない若い世代は同じ民族同士として
接してきたことであろうし、今さらと感じているのではないか。さらに北朝鮮
が国際的にも孤立化を深めていく中、敢えて火中の栗を拾うような和解劇には
総連はともなく民団に所属する人々は困惑していそうだ。

 

拉致がどれだけ我が国と北朝鮮の間に横たわる大きな問題なのかを、総連側も
改めて認識したことではなかろうか。民団にとっても本国が韓国も拉致被害を
受けているにも関わらず拉致問題には全く積極的ではなく、さらに総連と和解
してしまっては新潟の民団は拉致を放置するのかと批判をされかねない。朝鮮
総連新潟県本部の幹部は「我々は拉致に関係ないのに、いがみ合うのはどうか
と思う。他県では和解を歓迎しているところもあるのに」と不満そうに話した
ているようだが、新潟には新潟の事情がある。それまでではないか。