自民党森喜朗前首相は22日、都内の日本記者クラブで会見し、小泉純一郎
首相の靖国神社参拝に関し「為政者は小さなことでもそれが大きく広がると認
識して行動を慎まないといけない。日本は中国と協力しながらアジアや世界全
体に大きな役割を果たすべきだ」と述べ、小泉首相とその後継者は靖国参拝
見送るべきだとの考えを示した。同時に、靖国参拝の是非などをめぐる論争に
触れて「首相は参拝を『心の問題』と言っており、政治問題にしてはいけない」
と述べ、9月の党総裁選で争点に位置付けるべきではないとの見解を表明。小
泉政権後の内政の最大課題について「改革の推進だ。そうしなければ、日本そ
のものが下落していく」と、改革の継続が不可欠との認識を示した。

 

森前首相の口から行動を慎めなどと言う言葉が出てくるとは思いもよらなかっ
たが、数々の失言で我が国だけでなく他国からも失笑を買ったのを忘れたとは
言わせない。日中関係が正常であればそれに越した事は無いが、中国が歴史認
識と言うカードを捨て去らない限りは、靖国神社の参拝をやめたところで何も
変わりはしないだろう。これほど安く利用出来るカードは存在しないものの、
一度切り続けると引っ込めると軟弱であると国内から突き上げを食らうために
引っ込みがつかなくなっているのが現状ではないか。それが靖国神社の参拝で
あろうが、何だろうがである。

 

領土問題化しようと目論む尖閣諸島しかり、一方的に岩であると決め付けた我
が国固有の領土である沖ノ鳥島東シナ海日中中間線ギリギリに打ち込まれ
た掘削施設。どれをとっても日中関係を揺るがしかねないことであろうが、好
調な経済がひとたびマイナスに転じれば、我が国の手を借りねば立ち上がるこ
とも適わない。経済においては独り立ちが出来ていないのであるから、謙虚さ
も見せることは重要ではないか。すでに絶対的な格差が構築されてしまってい
るのなら、確実に下流からの崩壊が中国を襲うに違いない。