経済同友会の北城恪太郎代表幹事は23日の記者会見で、小泉純一郎首相と財
界首脳が17日会食した際、同代表幹事が首相の靖国神社参拝自粛を求めた提
言について謝罪したと報道されたことに関し「お騒がせしていますと話しただ
けだ。方針を変えたということではない」と述べ、提言を撤回する考えのない
ことを強調した。小泉首相が「政治と商売は別」と提言に反発している点につ
いて同代表幹事は「我々は経営者として業界利益のためではなく、日中の良好
な関係のため首相の靖国参拝を控えてもらった方がいいと思う」と反論した。

 

靖国神社参拝自粛を提言をすることで世論は味方するとでも思っていたのかは
知らないが、経済同友会の提言は少なくとも好意をもって受け入れられたとは
考えにくい。それだけ靖国神社のことを思う国民が多いと言うわけでもないの
が残念なことではあるが、同じ経済同友会でも関西経済同友会歴史認識が外
交カードとして使われている現状を的確にまとめ、経済同友会とは全く違う認
識をもって提言しているのだ。特に「いわゆる歴史認識問題は、古今東西、地
球上に数多存在する普通の事象であり、過度に拘泥する必要は無いと思われる」
のくだりではきっぱりと言い切っているのである。

 

経済同友会靖国参拝自粛を提言したことのみ大々的に取り上げられているよ
うだが、同じ経済団体でもきちんとした認識を持った上で、中韓があくまで反
日を国内向けに使い分けているのだと言う提言も、同じくらい重要な意味を持
っているはずだ。事実上、一部を除きマスコミには黙殺されたような形ではあ
るものの、気概のある提言には思わず感服した。日中の良好な関係を築くには
相互に受け入れるものは受け入れる、一方通行な歴史認識の押し付けは丁重に
どころではなく、時には撥ね付けてでも教えてやらねばなるまい。