安倍晋三官房長官は24日、都内で講演し、小泉純一郎首相の後継を決める9
月の自民党総裁選に出馬する意向を事実上表明した。正式表明は7月中旬の主
要国首脳会議終了後になるとの考えを明らかにした。総裁選をめぐっては、谷
垣禎一財務相が既に立候補の意向を示したほか、麻生太郎外相も準備中。安倍
氏と同じ森派福田康夫官房長官も、総裁選に意欲をにじます言動をみせて
おり、今国会会期末に向け、後継首相レースは本格化しそうだ。安倍氏は講演
で「今は官房長官の役職にある。内閣の要として小泉首相の改革を最後まで支
えていく。その職責を務めていくことでおのずと道が決まってくる」と強調。
出馬表明時期を「サミットが終わって、どのタイミングになるか考えないとい
けない」と述べた。

 

ポスト小泉に誰を望むかと言う各種世論調査では圧倒的な支持を集める安倍官
房長官ではあるが、一寸先は闇なのが政治の世界なのだろう。靖国神社の参拝
を争点とすることで、参拝する候補としない候補で色分けしようとする動きな
ど不快極まりないことだ。タカ派のレッテル張りによって、まるで好戦派であ
るかのような扱いもされ、歴史認識の絡んだ発言では言葉尻を捉えられて批判
を加えられる麻生外相も足を引っ張られる候補の一人であろう。参拝する派の
安倍氏と麻生氏、参拝しない派の福田氏と言う簡単な構図で終わらせるのでは
なく、この国をどうしたいのかと言うビジョンを示せるか、自民党総裁=首相
なのであるから、一つのことが争点として注目されるのは好ましくない。