韓国の統一地方選は1日未明まで開票が続けられ、ソウル市長など16首長の
12カ所を野党ハンナラ党が勝利、与党ウリ党は1カ所のみという与党惨敗の
結果となった。党首の鄭東泳議長は同日、「選挙に現れた国民の叱責を謙虚に
受け止め、すべての責任を取り辞任する」と引責辞任した。後任は同党幹部で
金槿泰最高委員が最有力だ。選挙結果は国民の与党・政府への不満表明と受け
取られており、任期を1年半残す盧武鉉政権は今後、苦しい政権運営となるの
は避けられない。

 

さしたる成果を上げられずにいる盧武鉉政権への批判が、この選挙結果につな
がったのだろう。外交では我が国と張り合う姿勢を見せたかと思いきや、結局
は中国に追従しただけと言うお粗末なものであったり、国内でも広がる経済格
差をどうすることも出来ずに、支持率の低迷を招いた。特に経済政策の失策は
大きな痛手となり、それは盧武鉉政権を誕生させてしまった韓国民に直接影響
のあるところである。野党ハンナラ党の党首が遊説中に斬り付けられる事件が
あったにせよ、与党ウリ党の敗北は予想されていたと言っても良い。

 

支持率低迷の最後の打開策として、やはり北朝鮮との融和路線となるのだろう
が、国民生活にほとんど影響の無いような朝貢外交では、次第に国民からも疑
問の声が出てくるのではないか。いや、すでに出ているからこそのこの選挙結
果なのだろう。同胞を餓死させる独裁政権に力を貸しつづけることが、いずれ
国際社会からの非難の的となることだけは、韓国としても避けねばなるまい。
融和路線が破綻した先にこそ、韓国にとって良い結果が待っているのではない
かとつくづく思う。