自民党旧宮沢派(宏池会)の流れをくむ丹羽・古賀、谷垣、旧河野3派の幹部
が6日、都内で会談した。ポスト小泉候補である旧河野派麻生太郎外相と谷
垣派会長の谷垣禎一財務相丹羽・古賀派丹羽雄哉古賀誠両代表が出席。
総裁選での連携を模索する狙いだが、候補一本化の見通しは立たず、旧宮沢3
派としての戦略は描き切れていない。「日本がアジアのリーダーとして現実的
に対応することが国益につながる」。国会近くの日本料理店。会談を呼び掛け
た丹羽氏が、小泉純一郎首相の靖国神社参拝で冷え込む対中国、韓国関係を念
頭に麻生、谷垣両氏に語りかけ、2人は黙ってうなずいた。古賀氏も靖国神社
に合祀されているA級戦犯分祀論を説明。アジア外交の重要性で一致したも
のの、それで勢力を結集できる環境は整っていない。

 

かつては首相を次々と輩出した宏池会も、加藤紘一氏が領袖となる頃には会か
らの離脱も起き、さらにはいわゆる「加藤の乱」によって分裂し強大な力を自
ら削ぐと言う最悪の結果に終わっている。これを再度結集して総裁選に望もう
とする意気込みは良いとしても、お互いに相容れぬ部分があって袂を分かった
のであるから、総裁選に勝ち抜くための協力など野合と言われても仕方あるま
い。第一、政策面でも大きく違うと思われる谷垣氏と麻生氏を一本化しようと
すれば、やはり禍根を残すであろうし統一候補したところで安倍・福田の決戦
との空気が作られてしまったいる以上、そこに両者が割って入るのもなかなか
難しいところではないか。

 

そもそも各派ともに宏池会をいまさら名乗ろうとも思わないであろう。小泉首
相が派閥政治を破壊し、出身派閥の森派のみが肥大化してしまった現状は、確
かに他の派にとっては歯痒いに違いない。アジア外交の重要性を打ち出すにし
ても、麻生氏のように歯に衣着せぬ発言で中韓からの批判を受けたりしている
のは反省するとでも言うのだろうか。いまいち目立たない谷垣氏とていきなり
アジア外交云々と言い出しても説得力は無い。一枚岩の組織でないのなら、無
理にまとまろうとしない方が、それぞれの色が出るのではないだろうか。