耐震データ偽造事件で、元1級建築士姉歯秀次被告が警視庁など合同捜査本
部の調べに、昨年末の国会証人喚問で最初にデータを偽造したと証言したマン
ション「グランドステージ池上」以前に、「別の物件で構造計算書を偽造した」
と供述していたことが分かった。捜査本部は、姉歯被告の国会証言は議院証言
法違反にあたる疑いがあるとみて立件を視野に入れ捜査を進めている。姉歯
告は昨年12月14日、衆院国土交通委員会の証人喚問を受けた。構造計算書
の改ざんを始めた経緯について「98年ごろからやった。最初はグランドステ
ージ池上だった」と証言。動機について「当時、木村建設の仕事が90%ぐら
いを占めていた。『(鉄筋量を)減らさないと仕事を一切出さない』と言われ、
生活ができなくなるのでやった」と述べた。

 

やはり木村建設だけで終わらなかった姉歯物件。これが明らかになることが最
も恐れていた事態であり、まだまだ被害者はいるということではないか。「木
村建設とは関係ないGS池上以前の物件でもデータを偽造した」などと供述し
たというが、木村建設に依存する前からも偽造を繰り返し、その噂を聞きつけ
木村建設と組むことになったのか、考えるだけでも恐ろしい連鎖のもとにな
ったのは姉歯被告であったのなら、洗いざらい話す他あるまい。ヒューザー
木村建設イーホームズ、アトラス設計、総合経営研究所・・・多くの役者が
入れ替わり立ち代り登場していっては、結局誰に責任があるのかというところ
で話は止まってしまった。その責任を自治体に投げようとした愚か者もいるが
姉歯被告の供述は、耐震偽装事件の根の深さを改めて知らしめたのではないだ
ろうか。要はまだ事件は終わらない、と言うことだ。