外務省のタウンミーティングが11日、北九州市小倉北区であり、麻生太郎
相が「日本外交の展望」をテーマに持論を語った。政府が2005年度分中国
向け円借款の凍結を解除したことについて「円借款を継続するかは日中間の流
れで決まっていく」と述べ、今後の関係改善が重要との認識を示した。麻生外
相は5月の日中外相会談で「靖国参拝問題があったからといって、お互い会わ
ないとなれば、東シナ海のガス田開発などの問題は解決しない」などと中国側
に要請し、対話促進を確認したことを報告。円借款の凍結解除についても「明
らかに対日姿勢に変化がみられる」ことを理由に挙げた。ただ、タウンミーテ
ィング後の記者会見で、麻生外相は「(円借款の新規供与を終了させる)20
08年までに何か事が起これば、止めないといけないかもしれない。日中友好
関係の維持が一番重要だ」と強調。

 

海を隔てるとは言え、隣国であるにも関わらず一方的に首脳会談は開かないと
言い切る中国を相手にするのは本当に厄介なことだ。円借款の凍結を解除して
も額が少ないと、文句をつける姿勢はこちらが恥ずかしくなる。外資頼みの経
済成長は中国にとって諸刃の剣であり、世界最大の民主主義国家インドの台頭
や台湾問題、中国にとって我が国だけを相手にしてれば良いわけでもなく、多
くの難題を抱えているのも事実だ。対立が得策で無いと判断すれば、何らかの
理由をつけて首脳会談をセットしようとするであろうし、その際に我が国がそ
れに応じるか応じないかは、中国側の足元を見て決めてれば良いだけのことで
あろう。いつまでも途上国のふりをしているわけにもいくまい、安価な民工
支えられた経済成長が鈍る時、中国を震源に世界を揺るがすことになるのは間
違いない。その時、我が国を頼ってくるのはムシが良すぎると言うものだ。