トヨタ自動車渡辺捷昭社長は13日、都内で記者会見し、エンジンとモータ
ーを併用するハイブリッド車を現在の「プリウス」など7車種から、2010
年代の初めまでに14〜15車種に増やす方針を明らかにした。トヨタはハイ
ブリッド車を2010年代初頭に年間販売台数100万台とする目標を掲げて
おり、プリウスのようなハイブリッド専用車や、主力車のハイブリッドモデル
を拡充し、普及を加速させる。また、ガソリンに混合する代替燃料として注目
される植物を原料とする「バイオエタノール」について、様々な混合率に対応
できる車を米国市場に投入することを検討する。エタノール燃料が普及してい
るブラジル市場では07年春をめどに混合率100%に対応する車を販売する。

 

資源を全く持たない我が国にとって、エネルギー戦略は何は無くとも描かなけ
ればならない課題であった。それと同時に技術立国を目指す中で、世界に冠た
る省エネ技術を確立し、ハイブリッド自動車は折からの原油高もあって国内だ
けでなく、海外でも高い評価を受け納車待ちの状態が続いていると言う。完全
に世界をリードするに至ってもなお、次々に新技術を投入する姿勢には頭が下
がる。今回のトヨタ自動車バイオエタノール車の投入は、将来的にガソリン
替わる代替燃料の確立に向けての一歩となるかもしれない。すでに普及が進む
ブラジル市場での評価次第では、ハイブリッド車と並ぶトヨタ自動車の稼ぎ頭
になるのも夢ではないだろう。

 

安定的にエネルギーの確保が見込めるバイオエタノールが主流になることで、
中東に原油を依存する我が国の資源戦略に大きく影響を与えるであろうし、環
境にも配慮出来る点でも歓迎したい技術だ。それにはガソリンスタンドのよう
に、何処に行っても給油が出来るようなインフラの構築が先決である。それが
出来ないようなら、エタノール車はただの画餅と化すことだろう。