北朝鮮のミサイル発射問題を協議するため平壌入りしている中国の武大偉
務次官は11日、前日に続き金桂冠外務次官らと会談し、ミサイル発射の自
粛や6カ国協議への早期復帰を求める働き掛けを行った。しかし、説得は難
航しているもようだ。中国外務省の姜瑜副報道局長は11日の定例記者会見
で、ミサイル問題を念頭に、「1、2回の訪問で問題解決は期待できず、外
交努力には時間と忍耐、各国の建設的な努力が必要だ」と述べ、説得難航を
示唆。6カ国協議の再開時期に関しても「まだ結論が出ていない」として、
見通しが立っていないことを明らかにした。

 

北朝鮮が「血の友誼」と喩えるように、中国は朝鮮戦争以来の友好国であり、
朝鮮戦争時には国連軍が中朝の国境に迫ると事実上の正規軍である「義勇兵
を大量に送り込み、38度線まで国連軍を押し返した。これは中国側も大き
な犠牲を払い得た結果であるのは言うまでも無い。だが、金日成から金正日
へと「金王朝」が代替わりし、中国にとって好ましくない瀬戸際外交を次々
に展開し始めたあたりから、徐々に手におえない弟分のような扱いになって
いったのではないか。6カ国協議を再開し、何とか北朝鮮を押さえ込もうと
する中国のことなどを無視するかのように、今回のミサイル発射に至った。

 

自制を促せば促すほど、北朝鮮が暴走を続けるのであるなら中国とていつま
でも弟分の面倒を見てやるわけにもいかないだろう。日米が予想以上に強硬
な対応をとってきた中で、それに歩調を合わせるとまではいかないにせよ、
今までのようにはいかないのだと中国も北朝鮮に教えてやってはどうだろう
か。韓国があまり北朝鮮のスポークスマンかのように「日本のように大騒ぎ
する必要は無い」との声明を出しているが、あまりの能天気ぶりに国内のメ
ディアからも猛反発を受けている。朝鮮半島は少し国際社会からは浮世離れ
しつつあるのかもしれない。