文部科学省国立教育政策研究所は14日、全国の小学4年生から中学3
年生を対象に実施した国語と算数・数学の学力調査結果を発表した。国語
では、「挙手」を正しく読めた小4の割合が約17%にとどまるなど、各
学年とも極端に正答率の低い漢字があることが分かった。作文や数学的な
考え方を問う問題では、物事を筋道立てて考える「論理的思考」が不得意
という傾向も出ており、“ゆとり教育世代”の苦手分野が浮かび上がった。
調査は全国から抽出した国公私立の小・中学生計約3万7000人が対象。
「確かな学力」の育成を求めた中央教育審議会の2003年答申を踏まえ、
今回初めて漢字の読み書きと作文、計算力と数学的考え方に絞ったテスト
を実施した。

 

調査結果によると、漢字の読み書きの平均正答率は、小・中学生とも各学
年で60〜80%台。小6で出題された「さんそ(酸素)」の書きは正答
率約87%、中3の「けんぽう(憲法)」の書きも約88%に上るなど、
他教科の学習でよく目に触れる漢字は正答率が高かった。これに対し、日
常生活などで使う機会が少ない漢字には、正答率が極めて低いものがあり、
「改行」の読みは小4で正答率約19%だった。「子孫」(小4)を「こ
まご」と読んだり、「ふるって(奮って)」(中3)を「奪って」と書い
たりする誤答も多かった。何とも現状の教育力は致命的なレベルにまで落
ち込んでしまったかもしれない。

 

もともと詰め込み教育が批判を受けて、いわゆるゆとり教育が導入されて
いったわけであるが、導入当初から危惧されていた学力が低下が明らかに
なるにつれて、その問題点がはっきりとしてきた。だが、ゆとり教育を受
けた子供達が再教育を受けるような時間も無く、最大の犠牲者はそういっ
た子供達であろう。全員が全員、この調査結果のような傾向を持っている
わけではなかろうが、今後が心配される結果はなのは間違いない。