TBSが、21日の「イブニングニュース」で放送した旧日本軍731部
隊の特集の冒頭部分に、ニュースの内容とは関係のない安倍晋三官房長官
の写真パネルが映っていたことが26日分かった。総務省は放映の経緯な
どを調査している。TBSによると、電話取材中の記者を撮影する際、取
材に使った記者室のスペースが狭かったため、隣接する小道具部屋に保管
してあった官房長官のパネルが映ったという。総務省は25日にこの事実
を知り「現在調査中」としている。TBSは、官房長官のパネルが放映さ
れたことについて「意図的なものではなかったが、報道の趣旨とまったく
無関係な方々にご迷惑をおかけしたことはおわびします」とのコメントを
出した。

 

またTBSかと呆れてしまうような「ミス」を起こしたものだ。意図した
ものではないと当然のようにコメントを出しているが、このような「ミス」
や全く逆の意味に翻訳するような、何か意図的なものを感じさせずにはい
られないミスが続いては、そもそも報道機関としてどうなのかと言わざる
を得ない。先週放送された番組が今になって問題とされるのは、恐らく視
聴者からの問い合わせによって、と思われるが旧日本軍の細菌・化学戦の
部隊とされた731部隊の背景に、総裁選を控える安倍官房長官のパネル
が移りこむこと自体、何らかの意図をもって行われたのだとTBSは批判
されても仕方あるまい。コメントで済ますのではなく、「イブニングニュ
ース」内できちんと謝罪すべきだ。

 

安倍官房長官も会見で「総務省の調査の結果を待ちたい」としたうえで、
「私もビデオを見て、ちょっと驚いた。もし意図的になされたものである
とすると、ちょっと恐ろしい。私もそうした動きに対して戦ってきたが、
意図的なものではないと信じたい」と語っており、憤りよりも驚きと感じ
たようだ。この「ミス」がそのままやり過ごされていても、影響そのもの
は軽微であっただろうが、TBSは過去にも問題を起こしており、反省を
しない体質が続くのも良くは無い。きちんとした経緯を調査した上で、T
BSなりのはっきりとした回答を示してこそ責任ある報道機関であろう。