自民党の「靖国参拝を支持する若手国会議員の会」は11日午前、衆院
員会館で総会を開き、首相の靖国神社参拝を求める提言をまとめた。次期
首相に対し、「自らの言葉で談話を発し、靖国参拝の意義を内外に示すべ
きだ」としている。提言は、首相の靖国参拝を「憲法政教分離規定に違
反しない」と指摘するとともに、参拝の時期、形式に関しては「首相の判
断に委ねる」とした。小泉純一郎首相の靖国参拝を批判している中韓両国
との関係に関しては「一層の努力を傾注して理解を求める姿勢を示し続け
ることが必要だ」と強調した。一方、A級戦犯分祀について「靖国神社
否定している限り、政府主導の分祀は信教の自由を侵し、なし得ない」と
反対の立場を示し、国立の戦没者追悼施設建設に関しても「意義は乏しい」
と反対している。

 

この若手国会議員の会は実質、次期総裁候補の安倍氏の応援団と見てよい
だろう。安倍氏の対抗馬とみられていた福田氏が不出馬となった以上、反
安倍を掲げた陣営もなし崩し的に安倍氏への摺り寄りを見せ始め、いかに
もみっともない連中ばかりだ。靖国神社へは参拝せずアジア外交の再建を
掲げる谷垣氏を担ごうともしない、ここまで露骨な動きをすれば党員の不
信を買うばかりでなく、組織としての自民党自体を問われかねない状況に
陥るのではないか。派閥が領袖を総裁に押し上げるための機能を破壊され
てしまった以上、他派であろうとも後々の人事に与れるのであるなら、明
確に支持を打ち出す姿勢は当然かもしれないが、安倍氏断トツ有利となっ
た途端に丹羽・古賀派伊吹派が支持を打ち出し、かつての最大派閥津島
派は候補すら出さずに自主投票を決め込んでいる。傍からみれば何とも見
ちゃいられないのが正直なところではないか。