小泉純一郎首相は15日朝、東京・九段の靖国神社に参拝した。首相参拝
は01年の就任以来6年連続で、これまで避けていた終戦記念日の参拝に、
9月の退任を控え初めて踏み切った。方式は昇殿、記帳する04年以前の
方式に戻った。現職首相の「8・15参拝」は85年の中曽根康弘首相以
来で21年ぶり。首相は記者団に「いつ行っても同じだ」と述べ01年総
裁選の公約優先を強調したが、中韓両国は非難声明を発表するなど反発し
ており、自民党総裁選の論議にも影響しそうだ。

 

総裁就任以来初めて8月15日に参拝をした小泉首相。雨が降りしきる中
多くの報道陣、参拝客に見守られる中、昇殿し一礼すると言う方式で現職
の首相として、そして自身の総裁選時の公約を達成出来たことで、退陣を
間近に控える身としてもけじめをつけたと言えるのではないか。小泉首相
はかねがね靖国神社の参拝が首脳会談を開かない理由として、不適切であ
ると発言し、その裏には靖国神社外交カードとして利用されていること
があり、ここでひけば次に新たな要求を捻じ込まれると判断してのことだ
ろう。安倍氏が総裁選において圧倒的なリードを保つ中、参拝がマイナス
にはつながらないとの打算もあったと思われる。

 

中韓の批判は次期首相を見据えて、形通りの抗議をする程度であろうが、
それに過剰に反応する国内の一部メディアなどには気を付けねばなるまい。
今はひとまず良くやったと言っておくべきだ、小泉首相の参拝効果からか
靖国神社の参拝客は終戦60年の去年から5万人も増えて、25万800
0人を記録した。その大半はごく普通の人々であり、終戦と言う日に際し
て英霊にそれぞれの思いを捧げたことであろう。