民主党鳩山由紀夫幹事長は19日朝の民放テレビ番組で、17日夜の超
党派の「国立追悼施設を考える会」幹部らの会合で、自民党山崎拓元副
総裁や加藤紘一元幹事長らに政界再編を持ち掛けたことを明らかにした。
鳩山氏は、安倍晋三官房長官の次期首相就任を前提に「アジアとの関係が
ますますおかしくなる」などと指摘。山崎氏らが提唱する政策は「安倍首
相」の下では実現できないとして、山崎、加藤両氏が森喜朗内閣に反旗を
翻した平成12年の「加藤の乱」を念頭に「ここでもう一度、決起でもし
たらどうか」と促した。ただ、肝心の山崎氏らの反応は「必ずしも『分か
った』という話ではなかった」という。

 

民主党はアジアとの関係を本当に考えた上で、このような話を持ちかけた
と言うのであろうか。ただ単に政権交代を実現したいためだけに、外交を
利用しようとしているのであれば、それこそ問題ではないか。きちんとし
たビジョンを持った上で民主党が、アジア、と言うより中韓との関係改善
をする姿勢もなしに、反安倍陣営に決起を促すなどあってはならない話で
あるし、山崎、加藤両氏にとっても幾度も政治生命の危機があったが、今
度また決起が不発に終われば、永田町では生きていけなくなるであろう。
森内閣の際の「加藤の乱」はあくまで党内事情であったが、今回も反安倍
と言う党内事情であるものの、そこに外交を絡めようとすればそれに対す
る締め付けも相当なものとなるに違いない。

 

中韓両国が靖国神社を始めとして、歴史問題を外交カードとして使用して
いるのが明確な以上、そう簡単には外交関係の改善が出来るわけではない。
そのためにも国立追悼施設の建設だ、と言う意見が出てくるのは正に場当
たり的な対応であって、そのような形式ばったことのために無駄な税金を
投入する必要は無い。特定の政治家以外誰も訪れることのないような施設
こそ遺物となるであろう。そのようなものを外圧のために作るのであれば
我が国にとって、最大の恥辱として子孫の代まで残るのだ。何のために、
靖国神社に祀られている英霊が戦い斃れたかわからなくなってしまう。