古豪の早実が、駒大苫小牧との決勝引き分け再試合を4−3の1点差で制
し、悲願の初優勝を達成した。4連投のエース斎藤佑樹が、この試合も先
発して力投。強力打線から13三振を奪い、3失点完投勝ちした。この日
の118球を含め、今大会948球を投げ抜き、深紅の大旗をつかんだ斎
藤は「最高にうれしい」と話し、涙にくれた。73年ぶりの3連覇を狙っ
駒大苫小牧は、中沢竜也内野手の2ランなど2本塁打で1点差まで迫る
意地を見せたが、あと1歩届かなかった。

 

今年の甲子園は決勝が引き分け再試合となったこともあるが、多くのドラ
マが用意されていたのではないかとつくづく思う。4連投と言うプロでは
有り得ないような鉄の肩を見せた早実の斎藤投手、負けじと投げ込んだ駒
大苫小牧の田中投手。奇しくも最後の打席は田中投手が立ち、9回になっ
ても球威の落ちない斎藤投手は、絶対の自信を持つであろうストレートで
三振にきってとった。エース対決は斎藤選手に軍配が上がったが、あくま
紙一重であっただろう。早実はとられたら取り返すの粘りを決勝までの
試合で続け、勢いそのままに悲願を達成した。だが今は計24回を戦った
のだ、両校の選手達はゆっくりと休んで欲しい。