第二次世界大戦後、旧ソ連が約60万もの旧日本軍将兵らを違法に強制労働
に従事させたシベリア抑留問題を考えるシンポジウムが6日、モスクワで開
かれた。日本側はもうそろそろけじめをつけるべきだと主張し、終戦から6
0年以上がたつにもかかわらず解決されていない同問題の早期決着に向け、
日露両国に常設の委員会設置を求めた。同シンポは、全国強制抑留者協会、
ロシアの相互理解協会の共催で開かれ、相沢英之・全国強制抑留者協会会長
が「あと10年したらわれわれ元抑留者は死んでしまう。とにかく早くけじ
めをつけて欲しい」と述べ、ロシア側の謝罪と金額にこだわらず強制労働に
対する補償を実現させ、同問題に終止符を打つことが重要だと強調した。

 

ソ連は日ソ中立条約がまだ有効であるにも関わらず大挙してソ満国境から、
独ソ戦を勝ち抜いた精強部隊を侵攻させ、あろうことか日本軍将兵を労働力
として連れ去り、劣悪な環境と厳しい寒さの中で多くの将兵が祖国の土を踏
むことが適わなかったのである。まったくもって戦争終結後も捕虜を勝手に
抑留し労働力として使うなど、非人道的であり犯罪的行為に等しいことだが
ソ連はもとよりソ連崩壊後にその遺産を継承したロシアからも、1度たりと
もこの犯罪行為について謝罪は無い。さらに言えば北方領土の問題も火事場
泥棒的にかっさらっていったものであって、その行為に何ら正当性はない。
ロシアはソ連から負の遺産も引き継いでいることを忘れてはならない、我が
国は一切の非は無く強奪された被害者なのだから。