米中枢同時テロから丸5年となる前日の10日、ニューヨーク各地で追悼
式典が行われた。ブッシュ米大統領夫妻は同日夕、ハイジャック機の突入
で崩壊した世界貿易センタービルの跡地「グラウンド・ゼロ」で献花した。
大統領はほかのテロ現場も順次訪問、11日には米旅客機ユナイテッド9
3便の墜落現場であるペンシルベニア州などを訪れる予定。全米は犠牲者
への悲しみとテロへの憎しみがよみがえる。「(11日は)決意を新たに
する日だ。あの日の教訓を決して忘れないと誓った」。世界貿易センター
ビルの南棟、北棟があった場所を示す池に花輪をささげて黙祷した後、大
統領はこのように力強く語った。

 

あの日から5年が経ち、米国民だけでなく世界中を震撼させた同時多発テ
ロの傷跡は「グラウンド・ゼロ」として今もなお刻み込まれている。いま
だかつて本土がこれだけの攻撃を受けたことが無かった米国は、この日を
境にテロとの戦いに乗り出したものの、顔の見えない敵には超大国といえ
ども一筋縄ではいかないのが現状のようだ。最新鋭の兵器も使いどころを
間違えれば誤って民間人を巻き込んでしまうであろうし、何よりもテロリ
ストが潜む環境が何処にでもあると言うことに苦心している。賞金をかけ
たり、情報機関をフルに動かして炙り出しを進めているが、首謀者とされ
ビンラディン氏は完全に雲隠れしてしまっている。

 

明らかにこの日を境に世界の運命と言うものは大きく舵をとったと言える。
その舵をとった方向が正しい方向だったのか、それとも誤った方向であっ
たかを知るには、まだまだ時間が必要とされそうだ。