中国共産党と国務院は14日までに、メディア規制強化を盛り込んだ「国
家文化発展計画綱要」を公布した。指導部人事を決める来年の第17回党
大会や2008年の北京夏季五輪を控え、胡錦濤指導部はメディア統制を
一層強める方針を明確にした。綱要は全10章48項目で構成。新聞メデ
ィアについて「主要任務は宣伝。『党ののどであり、舌』としての役割を
堅持しなければならない」と規定した上で、「全面的に党の主張を宣伝し、
民衆の意識や思想に対する影響力を不断に強化」することを義務付けた。
特に地方党幹部や学生らに対し、10年までに「理論、思想、道徳」の教
育を強化するとし、党が掲げる理論をあらゆるメディアを通じて「頭にた
たき込ませる」と強調した。

 

いつぞやに我が国のメディアに中国の批判記事が多いから、何とかしろと
交渉のテーブルで言われたらしいが、それは中国共産党には出来ることか
もしれないが、ここまで徹底した統制を行うことは戦前の我が国ですら難
しいかもしれない。メディアは党ののどであり、舌との規定は実に直球勝
負な内容であるが、中国のメディアは党の批判は出来ず、むしろ党のため
にフィルターのかかった情報を垂れ流し続ける存在でしかないと言うこと
だ。如何に市場経済を取り入れたと言っても、中国は中国共産党の一党独
裁国家であることに変わりは無く、中国発の報道とはほとんどが眉唾物の
ものだと認識せざるを得ない。言論統制をしておいて理論・思想・道徳を
語るとは片腹痛い話ではないか。

 

インターネットも可能な限りの統制を行い、しらみつぶしに「不適切な」
サイトを潰してまわり、参入した外資のネット系企業には検閲と言う踏み
絵を迫り、中国にとって好ましくない情報を徹底的にシャットダウンする
構えだ。北京五輪では外国メディアが大挙して訪れるであろうが、そこで
も中国側の運営などに批判的な記事を書かせないようにするのだろうか。
あまりにふざけた話だが、これが中国の体制維持の現実である。我が国の
メディアは靖国靖国と叫ぶが、言論の自由の無い中国のことをそこまで持
ち上げる義理は無いのではなかろうか。