公明党太田昭宏幹事長代行は16日、党本部で開かれた全国県代表協議
会後、記者団に代表選立候補を表明した。神崎武法代表が同協議会で今期
限りの退任を表明したのを受けたもので、太田氏は「力強い党にしたい。
少子高齢社会への対応や格差是正アジア外交を頑張りたい。(自民党
の)連立を推進し、政治にいい働きができるようにする」などと抱負を語
った。代表選は26日に立候補を受け付けるが、太田氏以外に立候補の動
きはなく、30日の党大会で太田代表が決まる。

 

神崎氏は「進退については熟慮を重ねた。どんな組織も新陳代謝が必要だ。
今後の党運営は新しい方にお任せしたい」と退任のあいさつをしたらしい
が白々しいにもほどがある。退任が規定路線として決まっており、次の代
表も太田氏で内定していたとあっては、公明党の代表選とは自民や民主の
ように総裁・代表を選挙で選ぶものではないと世間に表明しているような
ものではないか。創価学会内でも人気が高い浜四津敏子氏の名もあがった
ようだが、太田氏にせよ浜四津氏にせよ代表はきちんと選挙で選ぶべきで
あろう。人気や経歴だけで選ぶものではないし、何より創価学会が代表選
に絡んでは政教一致と批判を受ける事態になる。

 

名誉会長の頭の中で代表や幹事長が決まるような人事をいつまでも続けて
いては、公明党の支持が広がることはないであろうし、公明党のためにも
ならないであろう。なぜ自民や民主には派閥やグループが出来るのか、そ
れは多種多様な人間がいれば、気の合う者同士が集団となるのは当然の摂
理である。公明党は一部執行部以外にはどのような人間がいるのかは、ま
ったく見えてこず、代表選が無いことによって次期代表の太田氏の印象も
極めて薄い。公明党のプリンスかもしれないが、一般の有権者にとっては
ぽっと出の代表でしかないだろう。ポスト小泉率いる自民党との連立の中
でどれだけの実力を発揮してくれるか見ものだ。